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○食品偽装事件
2007年は食品偽装問題が大きな話題となった年であった。
石屋製菓による菓子「白い恋人」の賞味期限偽装、
赤福による「赤福餅」の消費期限偽装、
料亭「船場吉兆」による牛肉の産地偽装及び食べ残しの再提供などがあったが、
最も印象的だったのは、おそらくミートホープ社による
豚肉・鶏肉等の混入挽肉販売だろう。
例えば、鮮度が落ちて腐りかかった豚肉や鶏肉を安く仕入れては、
包装用ビニール等も完全に除去されぬまま、牛挽肉と不衛生に混ぜ込まれ、
牛挽肉100%として他社よりも低価格で卸売を行っていた。
他にも内臓の混入、添加物の過剰使用、消費期限切れ食品の転売など、
様々な不当行為があった。
それらは、他社との競争で生き残るべく考えられた
社長の悪知恵であったが、工場長による告発で問題が発覚しても、
社長はすぐにはその責任を認めなかった。
経営陣は言い逃れはできないことを悟り、罪を認めて謝罪する用意はできていたが、
社長との足踏みは揃わなかった。
そして、最終的にミートホープの社長がその責任を認めたのは、
記者会見の席上であった。脇にいた取締役の息子から、
「本当にやったんなら、やったと認めて下さい。社長が指示されたかどうかということです」
と促されて、ようやく社長は 「指示したことはあります」と食品偽装の事実を
カメラの前で認めたのだ。
(mp3)
その時の息子の言葉の裏では、社長がいくら嘘をついても、
自分たち経営陣には分かっているということ示唆するように、
【もうわかってます。指示しとるか】
(mp3)
というリバース・スピーチが現れていた。
これは、表音依存度の低い貴重なリバース・スピーチの一つと言える。
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